
知遊vol.26
医療機器産業技術人材養成講座
山梨の人と未来を
育成します。
県内の社会人技術者の皆様などを対象に、
医療機器の製品化に必要な知識や技術を習得する機会を提供する
「医療機器産業技術人材養成講座」を山梨大学に開設します。
山梨県内の産業人材を育成・確保し、生産性向上を図り、労働力不足を解消するとともに、働き方改革への取組による魅力的な職場づくりを促進することにより、良質で安定的な正社員雇用の確保及び職場への定着を図ることを目的に実施する「やまなし地域活性化雇用創造プロジェクト」の一環として医療機器産業技術人材養成講座を開講しております。
当講座は、山梨県の協力要請を受け、県内企業の社会人技術者等を対象に必要な知識等を習得する機会を提供し、県内中小企業等が設計開発技術者の採用、育成に取り組みやすい環境を整備することを目的として、医療機器の設計開発技術者を養成するため、山梨大学に開設いたしました。
医療機器関連産業は、国内の市場規模が約3兆円と大きく、医療の高度化や高齢化社会の進行などにより、今後も安定した成長が期待できるとともに、本県のものづくり企業が培ってきた高度な技術の活用が期待できる有力な産業分野です。このため、県内企業の皆様を対象に、医療機器開発に必要な技術・知識等を習得する機会を提供し、医療機器技術者の育成や新規雇用に取り組みやすい環境を整備するため、本講座を開設しています。
更に、令和2年6月に企業向け専門支援組織である「メディカル・デバイス・コリドー推進センター」をやまなし産業支援機構内に設置し、山梨大学とも連携して企業状況に応じたきめ細かな支援を実施しているところです。
受講生の皆さまが、山梨県内の医療機器産業をけん引する最先端の技術者となり、本県のものづくり産業がますます発展することを期待しております。
山梨県産業労働部
医療機器の開発は、一般の機器と異なり、患者さんの病気を治療することを目的としますので、医療機器としての高い有効性と安全性を担保するだけでなく、法規制への対応、各種検証試験の実施、及び安全対策など、医療機器を製造販売する企業には様々な対応が求められるため、新規参入するにあたっては様々な規制の仕組みや基礎知識が必要となります。
当講座は、附属病院の現役医師らによる医学講義、医療機器の審査経験のある教員による法規制の講義だけでなく、医療機器の製造販売を行う企業の方や行政の方等による講義を受けられる非常に貴重な講座となっております。未来の医療機器開発を担う人材を多く輩出したいと考えておりますので、医療機器開発に興味のある皆様に是非ご参加頂きたくご案内申し上げます。
融合研究臨床応用推進センター センター長 岩﨑 甫
当講座を担当しております野田と申します。医療機器の承認審査を行う独立行政法人医薬品医療機器総合機構にて、医療機器の承認審査等にかかる業務に10年以上携わってまいりました。当講座では、1)医学基礎講座(各診療科で行われる治療法や機器の理解)2)薬事戦略(薬事規制や各種試験の理解)3)医療機器の試作品の作成を大きな3つの柱にしております。またさらなる理解をして頂くため、医療機器シミュレーター体験や製造所見学なども行っております。
約1年間の長い講義となりますが、初学者でもなるべくわかりやすい講義となるよう心掛けておりますので、医療機器開発にご興味のある方のご参加をお待ちしております。
融合研究臨床応用推進センター 特任教授 野田 智秀